作家紹介
- 尾形 勝義 OGATA Katsuyoshi
- 東京 大島
-
1954年生まれ。武蔵野美術大学彫刻学科卒業。
伊豆大島に移住後間もなく映画マトリックスに先駆けてMATRIXというタイトルの個展を1995年に国立のKIGOMAで、翌年は大島のアマゾンクラブで1999年には銀座のJ2ギャラリーで開催した。
移住して27年目の火山島伊豆大島にはスダジイの原生林があり神々しさに満ちている。私はこの島と一体化し、全てのものを生み出す母体(MATRIX)にいるように感じ、作品のタイトルにも使ってきた。その感覚は鈍化しながらも今まで続いていている。2011年から始まった大島での現代美術展参加でインスタレーション表現が再開し、海辺の漂着物や海藻、日常的に目にしたものをつかった表現を展開してきた。2年ぐらい前に空間を構成していくミニマルな素材として細い鉄線を使って作品を発表してきている。私たちの日常で果てしなく繰り返される行為が三次元空間に無限に広がっていくようなインスタレーションをこれからも追求していきたい。
- 想念の庭 ( M a t r I x • • • • )
- COVID-19の感染拡大による急激な社会変化によって人間の存在が虚ろになったように私は感じている。ひたすら鉄線を編む行為は、自分の存在を手探る空間への旅のようだ。周辺の日常に魅了されながら、制作は3週間以上に及んだ。このインスタレーションはMATRIX:母体というより駆け巡る私の想念の軌跡かもしれない。この庭での旅のフィナーレは全ての生命の安寧を願って高さ3m程の宝珠の形状を模した。