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第1回展テーマ

人は手から生まれた

人は二足歩行を行うことで進化したと言われます。空いた手で道具を作り、それを器用に操れるようになりました。手を使うことで脳は肥大化し、直立したおかげでその重さを支えることができました。もしこれが本当のことなら、「人は手から生まれた」と言えるのかもしれません。
人類は初め、生存のために道具を作りそれを使っていました。しかしあるときから手で音を奏で、またものを描くようになります。つまり心を豊かにするために手を使うようになったのです。芸術活動は、このように洗練された手の技によって開始されました。
香川県には、漆芸品、彫り物、張子細工、生活雑貨等、優れた伝統工芸がたくさん見られます。豪華絢爛というより、むしろ人々が一生使い続けられるような愛着仕様の品々が中心です。これらは競い合ったり人を驚かせたりするためではなく、それ自体が人生を豊かにしていく造形です。そこには、この共同体を維持してきた人々の知恵が現れているように思われます。
人は手から生まれました。ですからこれからも、やはり手を使って進化してゆかなければなりません。テクノロジーが極度に発達した今日、私たちはややもするとそのことを忘れがちです。こうした時代だからこそ、手が持っている可能性をもういちど見直す必要があるのではないでしょうか。私たちの「手づくり」のプロジェクトを通して、そのことを考えてみていただけたら幸いです。
アートコーディネーター 松永 康

エリア別テーマ

三豊市 三野町エリア
「手と目の力」 THE POWER OF HAND-EYE
アートクラフトフェアと並行して野外造形展を実施します。すべての造形活動は手と目から始まります。新緑の中に点在する美術家たちの営みをゆっくりとご覧ください。
高松市 牟礼町エリア
「循環する命」 CIRCULATING LIFE
造形作品を通して生と死を見つめます。美術家が見つめる命の明滅は、何万年という時を過ごしてきた石の傍らでどのような姿を現すのでしょう。
高松市 塩江町エリア
「エネルギーを形に変えて」 CHANGED TO FORM THE ENERGY
「しおのえホタルまつり」(6月8日開催)を挟んで、さまざまなエネルギーから生み出された造形表現が展開します。人のエネルギーもまた、個々に異なる光を放ちながら世の中を照らしているのです。
綾川町エリア
「心の在りか」 CAN YOU FEEL OUR HEART?
私たちの心には、自分でも気がついていないたくさんの記憶が眠っています。本展では、展示作品を通して心の奥に広がる未知の世界を辿っていただきます。
まんのう町エリア
「自然はすべての源である」 NATURE IS THE SOURCE OF ALL THINGS
人は行き詰まったとき、自然と向き合うことでその解決方法を見出してきました。美術家もまた新たな方法を試みるとき、画廊や美術館を離れて、できるだけ自然に近いところで表現を行います。
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